自分たちで考え抜いたキッチンの間取りは、やっぱり最高でした

自分のライフスタイルの一番の理解者は自分です。実のところ、設計士さんがどこまで考え抜いてくれるかはわかりません。理想の生活を実現するための間取りには1cm単位までこだわって、まずは人任せにせず自分で考えてみることをお勧めします。

間取りは自分で考える

キッチンの間取りは、かなり悩んで考えました。

我が家は、設計士さんに設計と監理をお願いして工務店に建築してもらったのですが、概ねの間取りはあらかじめ自分たちで考えました。

自分たちの生活様式や、普段不便に感じているところ、新しく建てた家での理想とする生活など、一番理解しているのは自分たちです。

快適に便利に過ごす家を建てるためには、まずは自分で間取りを考えることをお勧めします。

設計士さんやハウスメーカーの中には、“素敵に見える家”を作るために、機能面や素材の耐久性・安全性が疎かになっていることもあるように感じました。

そこで、方眼紙の1cmのメモリを0.9m、つまり2マスを1畳に見立てて、色々な間取りを描いてみました。

⬇️こんな感じです。

おすすめ本

本もたくさん買って勉強しました。その中で、一番充実して勉強になったのがこの「暮らしから描く」シリーズです。

これは20年以上前の本になりますが、内容は全く古くありません。家づくりの基本的なところは変わらないんだなと思いました。一つ一つの項目に細かく具体的な考え方が載っていて、間取り、構造、素材についての必要な知識を得ることができます

キッチンの間取りを考える時は「キッチンと収納のつくり方」を参考にしました。例えば食器棚の項目では、棚板について“間隔は15〜20センチ、奥行は20センチ以内、普段使いの食器はこの範囲内に置きます”とあり、その理由として“中皿より小さい皿は、サイズごとに重ねて横並びに、汁椀・茶碗の椀類は重ねることはできても不安定なので2〜3個ごとにします。高く積み重ねると高密度に収納できそうですが、いざ使おうとすると上のものを持ち上げたり、手前のものをどける手間がかかり、結局使い勝手の悪いものになってしまいます。しかも、どのような食器があるのか見渡すこともできず、いつも決まった手前の器ばかり使う羽目になってしまいます。”と書かれています。さらにひざ下の低い位置の収納、高い位置の収納、引き出し収納、扉の開閉様式や素材、動線を考えた置き場所、と図を交えて説明が続きます。全ての項目において、このように実際に生活したときの使い勝手を細かく説明した上で、様々なライフスタイル毎にこういうのがいいですよ、と提案してくれているので、自分の理想にあった設計ができるようになっています。

「快適間取りのつくり方」のまえがきで、著者の吉田桂二さんが“この本をマスターしていただけば、どんな素人でも、レベルの低い専門家以上の間取りを作ることができます。”と書かれています。

家を建てようと思っている方は、まずこの本を読まれることをお勧めします。。

色々考えて

キッチンの間取りで重要視していたのが、この3つでした。

  • みんなで料理できること
  • キッチンから直接洗濯室にアクセスできること
  • 収納が多いこと

最初はこんな間取りで考えていました。実家がどちらもコの字型だったので、無意識にこの形が頭にあったのだと思いますが、何か今ひとつしっくりこなくてずっと悩んでいました。

そんなとき、ふと思いついたのがこの間取りです⬇️。L型とI型を組み合わせたこの形を思いついたとき、「絶対これにしよう!」と思いました。

間取りでしっくりこない時は、まあいいか、と流さず、きちんと納得するまで考えたり、設計士さんに考えてもらった方が後悔しないと思います。

実物と見比べて

キッチンの面積

おおよそ3640mm四方、8畳といったところでしょうか。

厳密にはシンクの下のカウンターはリビング内になり、冷蔵庫とその並びの棚はキッチンに含みます。

みんなで料理できる通路幅

複数人でワイワイ料理するには、通路幅が重要です。

通路幅を広くしすぎるとキッチンのワークスペースが狭くなりますし、通路幅が狭いと複数での作業がしづらくなります。“ちょうどよい”というのがなかなか図面ではわかりません。

自分の家や親戚の家、ショールームなどで通路幅を確認したりしながら、最終的に下図のようにしました。

実際のイメージが⬇️です。

まず、L字型の通路ですが、少し狭いかと心配していたのですが、結論から言うと95cmで丁度良かったです

複数人で料理をするとき、1人がコンロ、1人がI型カウンターで作業をしても不自由を感じませんし、すれ違うときもストレスはありません。コンロの丁度向かいのシンク下の戸棚を開けるときだけ、「開けるよ」と声かけはしますが、コンロから動いてもらう必要はありません。

逆に、コンロと後ろのシンクが離れすぎていると、何かコンロからシンクに移してゆでこぼす時などの動作性が悪くなってしまいます。

⬇️こちらもL字の95cmの通路です。

右の引き出しを全開にして、左にある食洗機の扉を全開にすると1人がギリギリ通れるくらいになりますが、実際にそんな状況で2人がすれ違う状況はそうそうありませんし、そんなときは、どちらかをすぐに閉めれば済んでしまいます。

こちらも、むしろ食洗機から出したものをすぐに引き出しにしまえるという方がメリットが大きいように思います。

最後にI型の90cmの通路ですが、こちらは2人でぎりぎりすれ違えるくらいです。黄色で丸した開き戸を開けると通路が塞がれて誰も通れなくなります。

この通路はみんな割とよく使うので、開き戸を開けて食料品を探したり片付けたりしているときに誰かが通ろうとして足止めになることはたまにあります。

ただ、次の項目に図がありますが、我が家は、ここが無理でもコンロ側の通路を使ったり、逆方向にぐるっと回ってダイニングに出てくることができます。なので、この通路が通れない時はみんな違うところを通るようにしています。

ただ、ここしか通路がない、という場合は少し不便だと思います。そういう場合は、通路を広くしたり、戸棚を開き戸ではなくて引き戸にしたり、という工夫があってもよいかもしれません。

料理と洗濯を同時進行

知り合いのおうちにお邪魔したときに、キッチンのすぐ横が洗濯室になっていて、「これがめちゃくちゃ便利だよ」と教えてもらいました。

当時のマンションは洗濯機は脱衣所にあってキッチンから離れていたので、とっても羨ましく思ったのを覚えています。

そこで、あこがれのキッチンと洗濯室をそのまま繋げた間取りにしました。

これはもう、めちゃくちゃ便利です。洗濯室の詳細はまたいつかご紹介したいと思いますが、なにせ料理と洗濯を同時進行できるのです。

例えば、お湯が沸くまでのほんの何十秒、といった隙間時間に洗濯物を少しでも畳むことができたり、無駄な時間がなくなりました。

ちなみに、間の扉はほぼ開きっぱなしですが、匂いが洗濯物につきそうな料理のときは閉めるようにしています(室内干しなので)。

収納はいくらあっても足りない

我が家はモノが多いのです。キッチン以外でも、設計士さんに、“そんなに要りますか?”って言われるくらい収納スペースを作ってもらいました。

さてキッチンの収納ですが、本当はウォークイン食品庫を作りたかったんです。が、どうしてもスペースが取れませんでした。

そこで、できるだけスペースをかき集めて収納にしてもらいました。ざっとこんな感じです。

当初のコの字型のキッチンより、幅のあるI型にしたことで収納力もupしました

でも、これでも足りなくなりつつあります。スペースを増やしてもモノがふえると同じですね。断捨離を心がけなくてはと思っています。

少し長くなってしまいましたが、我が家の理想を体現したキッチンの間取りのご紹介でした。